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認知症の相続人がいる場合の相続

たとえば、配偶者が認知症である場合には、その配偶者に財産を多く相続させることが考えられますが、認知症である配偶者が自分の財産を管理することは難しいでしょう。
また、認知症の配偶者の世話をすることを期待して、子どもに多く財産を残しても、その子が遺言者の期待を裏切る行為をすることもあります。
そこで、認知症の相続人がいる場合には、成年後見制度を利用して、さらに、負担付遺贈をすることが適当と考えます。

成年後見制度について

成年後見制度とは、認知証、知的障がい、精神障がいなどによって、物事を判断する能力が十分でない成人の方の権利を保護し、法律的に支援する制度です。
配偶者等の相続人の判断能力が既に低下している場合には、法的後見制度を利用します。
この法定後見制度は、保護・支援を受ける方の判断能力の程度などに応じて、さらに「後見」「保佐」「補助」の3つに分かれています。
そして、法定後見制度では、判断能力が不十分になった方を保護・支援する方(成年後見人、保佐人、補助人)を家庭裁判所が選任します。

相続人の判断能力が低下している場合

認知症などにより相続人の判断能力が既に低下している場合には、まず、法定後見制度を利用しましょう。
家庭裁判所に申し立てて、成年後見人(保佐人、補助人)を選任してもらいます。
たとえば、妻が認知症の場合には、夫が自らを成年後見人(保佐人、補助人)に選任してもらうことを希望して、申し立てをすることができます。
また、成年後見人(保佐人、補助人)である夫が遺言をする場合には、特定の人に夫亡き後、速やかに成年後見人(保佐人、補助人)を選任する手続きをするよう遺言しておくとよいでしょう。

【例】 「遺言者亡きあと、長男一郎は早期に妻花子に関する成年後見人選任の手続きを行うこと」

負担付遺贈について

遺贈を受ける受遺者に一定の法律上の義務を負わせる遺贈のことを負担付遺贈といいます(民法1002条)。

たとえば、相当額の財産を長男に相続させるかわりに、認知症の妻のために、長男がするべきことを具体的に記載して、その実行を長男の負担とする遺言をしておきます。

負担の限度について

遺贈を受けた受遺者は、遺贈の目的の価額を超えない限度内においてのみ、負担した義務を履行する責任を負うとされています。
また、受遺者は遺贈を承認するか放棄するかの選択権があります。
ですから、あまり厳しい負担を定めると、受遺者が拒否することが考えられます。

したがって、認知症の相続人のために負担付遺贈をする場合には、遺言書の作成前に遺言者と受遺者との間で、具体的な介護や療養の内容・程度を十分話し合って、受遺者の同意を得たうえで、遺言にするのが適当と考えます。

【例】 「長男一郎に遺言書の有する不動産全てを遺贈するかわりに、一郎は遺言者の妻花子と同居
    して、花子の生存中、その生活費として毎月5万円を支払い、扶養に務めなければなならい」

受遺者が負担を履行しない場合について

受遺者が負担した義務を履行しない場合には、他の相続人は、相当の期間を定めて負担を履行するように催告を行って、 それでも履行しない場合には、その負担付遺贈にかかる遺言の取消しを家庭裁判所に対して請求することができます。
したがって、認知症の母親の世話を扶養を負担義務として、遺贈を受けた長男がその負担を履行しないときには、他の兄弟姉妹などの相続人は家庭裁判所に遺言の取り消しを請求することができます。


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